[ロンドン 22日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のブロードベント副総裁は22日、現在みられる消費者物価の大幅な上昇は、長期的なインフレ高進を意味するわけでないと指摘した。物価見通しの点では労働市場のシグナルのほうが参考になるとの見方を示した。
ブロードベント氏は、過去にインフレ圧力がどのように緩和したかや、英雇用市場は普通、物価面のショックを増幅させないことを挙げ「今後数カ月は(物価上昇が)さらに進むとわれわれは認識しているが、現行の消費財の値上がりは個人的には1年半─2年にわたるインフレ高進を意味するとは思わない」と述べた。
総需要の伸びの見通しは引き続き重要だとし、金融政策委員会は労働市場のデータを注視する必要があると指摘した。
英国の労働市場については、かつては柔軟だったが、新型コロナウイルスのパンデミックを受けた需要の新たなパターンにどれほど速く適応するか、あまり確信がないと述べた。
現在の賃金データは、政府の雇用支援措置などによってゆがめられているとし「そういう要因を除外した基調的な賃金の伸びは、失業率のみで説明するより力強いのではないかと思う」と述べた。