マサチューセッツ州ケンブリッジ - 臨床段階のバイオ医薬品企業Fulcrum Therapeutics, Inc. (NASDAQ:FULC)は本日、第3相試験で主要評価項目および副次評価項目を達成できなかったことを受け、同社の薬剤ロスマピモドの開発を中止すると発表しました。顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー（FSHD）患者を対象としたロスマピモドの有効性を評価するREACH試験では、プラセボを投与された患者と比較して有意な改善が見られませんでした。
260人の患者を対象としたこの試験は、48週間の治療後のリーチャブルワークスペース（RWS）、筋肉脂肪浸潤（MFI）、肩外転筋力、および患者報告アウトカムのベースラインからの変化を測定することを目的としていました。ロスマピモドの安全性と忍容性プロファイルは以前の研究と一致していましたが、これらの指標の改善において統計的有意差を達成できませんでした。
Fulcrum社の社長兼CEOであるAlex C. Sapir氏は、試験結果に対する失望を表明し、患者、家族、およびFSHDコミュニティのサポートに感謝の意を示しました。同社は今週受け取ったデータの完全な評価を計画しており、今後の医学会議で結果を発表する予定です。
Fulcrum社の財務状況は引き続き堅調で、2024年6月30日時点で約2億7380万ドルの現金、現金同等物、および市場性のある有価証券を保有しています。同社は、鎌状赤血球症（SCD）の治療薬ポシレディルや、Diamond-Blackfan貧血（DBA）の治療薬など、他のプログラムを進展させるためにリソースを再配分する予定です。
FSHDは、骨格筋に影響を与える稀少で進行性の疾患で、筋肉の萎縮と機能低下を引き起こします。現在、FSHDに対する承認された治療法はなく、米国では推定30,000人が罹患しています。
選択的p38α/βマイトジェン活性化プロテインキナーゼ阻害剤であるロスマピモドは、FSHDの治療に対して米国食品医薬品局（FDA）からFast Track指定とOrphan Drug指定を受けていました。筋ジストロフィーに対しては以前に検討されていませんでしたが、ロスマピモドは他の適応症に対する様々な臨床試験で3,600人以上の被験者を対象に評価されていました。
このニュースはFulcrum Therapeuticsのプレスリリースに基づいています。
その他の最近のニュースでは、Fulcrum Therapeuticsに一連の重要な進展がありました。BofA Securitiesは同バイオテクノロジー企業の株式格付けをUnderperformからNeutralにアップグレードし、目標株価を10.00ドルに倍増しました。この改定は、Fulcrum Therapeuticsが顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー（FSHD）の治療薬候補ロスマピモドの重要な第3相試験結果の発表に近づいていることを受けてのものです。RBC Capitalも同社に対するOutperform評価を維持し、ロスマピモドの第III相REACH試験の予想される結果に基づいて目標株価を14.00ドルから15.00ドルに引き上げました。
Fulcrum Therapeuticsは運営面でも進展を見せており、RA Capital Healthcare Fund, L.P.および匿名の機関投資家との間で普通株式と先払いワラントの交換を行いました。また、Isabel Kalofonos氏を最高商業責任者に、Heather Faulds氏を最高規制・品質保証責任者に任命しました。これらの役職は、ロスマピモドの新薬承認申請の提出に貢献することが期待されています。
最後に、Fulcrum Therapeuticsはロスマピモドの第3相REACH試験を進めており、2024年10月末までにトップラインデータを報告する予定です。Sanofiとの協力のもと、米国外でのロスマピモドの規制当局への申請と商業化の準備を進めています。これらの最近の進展は、Fulcrum Therapeuticsが臨床試験を進め、ロスマピモドの商業化に向けて準備を進めていることを示しています。
InvestingProの洞察
Fulcrum Therapeuticsのロスマピモド薬開発中止に関する最近のニュースを受けて、同社の財務状況と市場パフォーマンスは投資家にとってより広い文脈を提供しています。InvestingProのデータによると、Fulcrum Therapeuticsの時価総額は5億5225万ドルで、これは同社の規模と投資家による評価を示す重要な指標です。この後退にもかかわらず、アナリストは来期の収益予想を上方修正しており、潜在的な回復や同社の他のプログラムへの信頼を示しています。
さらに、Fulcrum社の現金状況は堅調で、負債を上回る現金を保有しており、中止された薬剤開発に伴うコストを考慮すると、利害関係者にとって安心材料となっています。この財務的安定性は、流動資産が短期債務を上回っていることにも反映されており、Fulcrum社が現在の課題に対処する準備が整っていることを示唆しています。
しかし、アナリストは今年のFulcrum社の収益性を期待しておらず、株価はかなりの変動を示していることに注意が必要です。2024年第2四半期時点での過去12ヶ月間の同社の収益成長率は2582.55%と印象的ですが、同期間の営業利益率が-40.15%とマイナスであることから、まだ収益性には結びついていません。
より詳細な分析を求める投資家のために、Fulcrum Therapeuticsに関する追加のInvestingProのヒントが用意されており、同社の見通しについてさらなるガイダンスを提供しています。これらのヒントは、情報に基づいた投資判断のための包括的なツールとインサイトを提供する専用のInvestingProプラットフォームを通じてアクセスできます。
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