[北京/上海 27日 ロイター] - 中国本土では、26日時点で、新型コロナウイルスの国内感染者が3日ぶりに1人確認され、海外からの入国者の新規感染例は54人だった。
中国国家衛生健康委員会の発表によると、26日時点の新たな感染者は55人で、前日の67人から減少した。
中国本土での感染者は累計8万1340人となった。
死者は累計3292人。前日から5人増えた。
海外からの入国者の感染が今や、当局にとって最大の懸念要因となっている。
26日の入国者の新規感染例は、上海市が最も多く17人、広東省が12人、北京市と天津市がそれぞれ4人。
上海では現在、海外から入国した125人の患者を治療している。うち英国からの入国者は46人、米国からの入国者は27人。
ウイルス感染の震源地となった武漢のある湖北省では、26日時点の新規感染者はゼロ。同省では武漢以外の地域の移動制限が25日に解除された。
一方、医学誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に掲載された論文は、武漢市の移動制限を拙速に緩和すれば感染の「第2波」が早期に起きかねないと警告、学校や企業の閉鎖措置を続けるべきとの見方を示した。
共同執筆したロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスン(LSHTM)の専門家、ケイシャ・プレム氏は「規制を段階的に緩めれば、『第2波』を遅らせ、ピークも抑えられる」と強調した。
<国際線を大幅削減>
中国民用航空局(CAAC)は26日、海外の航空各社に対し、中国国内への路線を各社1路線とし、週1回の運航に制限するよう通達。また国内の航空各社にも各国との航路を各社1路線とし、運航は週1回にするよう通達した。29日から適用する。
CAACによると、現在運航されている中国行きの国際便の90%前後が運航停止となる。入国者は1日2万5000人から5000人に減る見通し。
中国外務省は、外国人の入国を28日から当面停止すると発表。査証(ビザ)や在留資格を持っていても入国できなくなる。
*内容を追加しました。