[30日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀は30日に公表した論文(エコノミック・レター)報告書で、新型コロナウイルスの感染拡大抑制策の導入に加え、感染拡大がもたらしている先行き不透明感の急速な高まりにより、米国の失業は急増し、インフレ率は低下するとの見方を示した。
サンフランシスコ連銀は、歴史的に「先行き不透明感が強くなった後は、金利の低下にもかかわらず、失業率の上昇とインフレ率の低下が見られる」と指摘。「新型ウイルスの感染拡大による先行き不透明感の高まりは、総需要の低下と同じような形で経済に影響を及ぼす」とした。
その上で、新型ウイルスがいつ、どのように効果的に封じ込められるのか不確定要素が多いため、こうした先行き不透明感の上昇自体で失業率は向こう1年間で1%ポイント上昇し、インフレ率は向こう6カ月で最大2%ポイント低下する可能性があると予測した。
ただ、新型ウイルスの感染拡大により経済活動に深遠で長期的な影響が及ぶことはないとの見方を示した。
連邦準備理事会(FRB)は今月15日の緊急会合で、「新型ウイルスによる影響が短期的に経済活動を圧迫し、経済見通しにリスクをもたらす」として、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を100ベーシスポイント(bp)引き下げ、0─0.25%とすることを決定した。