[31日 ロイター] - オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は31日、上場企業の資金調達を容易にするため、規則の一部を一時的に緩和すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で企業は現金が不足する一方、稼働率は低下しており、多くの企業がバランスシート改善のために資金調達に動いている。
ASICは、通常要求される条件を満たさない企業にも、目論見書の交付なしで株主割当増資や私募発行などによる資金調達を認める。
資金調達の際に目論見書の交付を免除する制度は通常、過去12カ月間に5日以上にわたって株式が売買停止となった企業には適用されない。こうした企業は目論見書を用意するか、ASICに個別に免除措置を申請しなければならない。ASICによると、こうしたプロセスはコストがかかり、手続きが遅れることも多い。
しかし、規則の緩和により、過去12カ月間に売買停止となった日数が合計10日以下なら、個別の申請は必要なくなるという。
資本市場案件を専門とする弁護士は匿名で「ASICは、企業の資金調達を支援するために全力を尽くしている。しかし結局、こうした企業が市場から資金を調達するのは困難かもしれない」と指摘。
「一部の企業は公募での調達ができず、プライベートクイティやその他の投資家から、公募の場合よりも好ましくない条件での資金調達を余儀なくされるかもしれない」との見方を示した。
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