[ウェリントン 1日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)政府が1日公表した新型コロナウイルスの新たな感染者は61人と、前週から減少した。ただ、アーダーン首相は、全土で実施しているロックダウン(都市封鎖)が奏功しているか判断するのは時期尚早との見方を示した。
ニュージーランドは3月25日に国家非常事態を宣言し、26日から全土でロックダウンを実施。不要不急のサービスを停止し、学校や企業を閉鎖している。
国内の感染者は累計708人となった。前週は新規感染者が85人に達する日もあったが、今週は比較的低水準にとどまっている。感染者の半数以上が海外からの入国者に関連しており、市中感染は約1%にとどまっている。
アーダーン首相は記者会見で新規感染者について「一見心強い数字に見えるかもしれないが、政府の対策が感染拡大抑制に成功しているか判断するのは時期尚早だ」と強調した。
その上で「ウイルスが地域社会に存在している状況では、油断して気を緩め、静かな感染拡大を許すことほど最悪の事態はない」と述べた。
ロバートソン財務相はこれより先に議会委員会で、新型ウイルスによる経済への打撃は金融危機時より大きくなるとの見解を示した。
同相によると、財務省は失業率が金融危機下での最悪の水準(6.7%)よりも悪化する可能性が高いとみている。財務省の初期の試算では、失業率の上昇幅は5%から2桁になり、国内総生産(GDP)は10─17%下押しされる見通しだ。
同相は、銀行の予測では失業率は最大30%上昇するとみられているとも述べた。