[シドニー 1日 ロイター] - 不動産コンサルタント会社コアロジックが1日公表したデータによると、豪住宅価格は3月に上昇したものの、新型コロナウイルスの感染拡大による経済や消費者心理への影響から今後については市場の陰りが予想されている。
3月の住宅価格は前月比0.7%上昇。昨年7月に不動産市場が上向いて以来最低の伸びとなった。前年比では8.9%上昇した。
主要都市シドニーは月間で1.1%、年間で13%上昇、メルボルンは月間で0.4%、年間で12%上昇した。
コアロジックの調査部門責任者、ティム・ローレス氏は、オーストラリアは「前例のない不透明感」に直面しており、30年ぶりのリセッション(景気後退)に陥る見通しだと述べた。
オーストラリアでは新型コロナ感染者が4500人を超えた。死者は20人。当局は市中感染の拡大を懸念し、感染防止に向けた制限措置を強化している。
ローレス氏は「住宅価格にどの程度の影響があるかは依然としてかなり不透明だが、センチメントの落ち込みや景気悪化による住宅市場への影響は避けられないだろう」と指摘。住宅販売戸数は今後数カ月に「激減」する見込みで、不特定多数の人を対象にした物件の内見と現地オークションに関する規制も市場の重しになるとの見方を示した。
その上で、この危機が一時的なものであることや政府・中銀による一連の政策支援を考慮すれば、住宅価格はそれほど影響を受けない見通しだとした。