[ロンドン 1日 ロイター] - IHSマークイットが発表した3月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は44.5と、ユーロ圏が債務危機に見舞われていた2012年7月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するための移動等の制限措置によって生産が落ち込んだ。
3月改定値は2月の49.2から低下し、速報値の44.8からも下方修正された。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、PMIが7年半ぶりの低水準となったにもかかわらず、製造業の苦境ぶりを正確に反映していないと指摘。サプライチェーンの遅れに関する指数がPMIを下支える形になっているためで「供給遅延は通常なら需要増加のサインととられるが、今回の過去最大級の遅れは、世界のサプライチェーンが各国の工場操業休止で機能不全に陥っていることを示す」という。
PMIの構成項目は軒並み景況拡大と悪化の節目の50を下回った。
生産指数は38.5。2月の48.7から低下し、世界金融危機後の大不況の最中だった2009年4月以来の低水準となった。速報値の39.5からも下方修正された。
需要も落ち込んだ。新規受注指数は11年ぶりの低水準となる37.5。2月の49.4からの低下幅は調査開始以来、最大となった。
製造業各社の楽観度を示す将来の生産見通しに関する指数は、同指数を算出し始めた2012年半ば以来で最も低い。雇用指数も過去10年余りで最低となった。
ウィリアムソン氏は「企業の営業休止、封鎖措置、失業の増加は世界各国の支出に前例のない影響を及ぼすだろう」とし、食品製造と製薬を除き、さまざまな製造業が、経験したことのない深刻な状況に陥ると予想した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200401T091609+0000