[コペンハーゲン 1日 ロイター] - デンマーク中央銀行は1日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、今年の経済成長率予想を大幅に下方修正した。これまでの景気拡大予想から一転、最大10%のマイナス成長もあり得ると予想した。
従来の2020年国内総生産(GDP)伸び率予想は1.5%だった。今回、新型コロナ危機の深刻さと期間次第で3─10%のマイナス、メーンシナリオを5%のマイナスに修正した。
中銀は声明で「デンマーク経済のブームは2020年初めに突如終わった」と述べた。
最新の予想は、国内大手銀行の予想よりも悲観的だ。ダンスケ銀行はマイナス2.5%、ノルデアはマイナス3%と予想している。
ローデ中銀総裁は「流行が下火になり、(制限)措置が撤廃されたた時、経済を再び軌道に乗せるための出発点は強い。しかしそこに行き着くまで厳しい道のりになる」との見方を示した。
新型コロナに関連した死者は90人に達しているが、感染者の入院者数は31日に初めて減少した。
フレデリクセン首相は、死者数が安定推移すれば、復活祭後に封鎖措置を徐々に緩和する可能性があると30日に述べている。
ただ中銀は、輸出依存度が高い経済であることから、国内の制限措置が撤廃された後も外需の低迷で厳しい状況が続くと予想している。
政府は新型コロナ対応の600億クローネ(88億ドル)超の経済対策を発表した。
ローデ総裁は、経済対策は企業と従業員を支援していると述べたが、景気回復は外部環境にかなり影響されるとし「経済的制約がなくなれば、需要喚起のために、より伝統的な財政刺激が求められるだろう」と述べた。
デンマークの公的債務はGDP比約33%で、経済協力開発機構(OECD)の平均よりかなり低い。企業支援目的の財政出動余地はある。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200401T101433+0000