[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国株式市場は、主要株価3指数が2─4%急伸。トランプ政権が新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたロックダウン(都市封鎖)措置を緩和する可能性があるとの期待で、企業決算を巡る懸念が相殺された。ナスダック総合は4営業日続伸した。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は14日、トランプ大統領が数日中に米経済活動再開に向けたソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)指針について重要な発表を行うと明らかにした。
一方、米ニューヨーク州のクオモ知事は14日、新型コロナウイルス感染症による同州の入院者数が初めて減少したと明らかにした。同州で新型コロナ危機がピークを迎えた可能性を示す新たな兆候となった。
スパータン・キャピタル・セキュリティーズの首席市場エコノミスト、ピーター・カーディリョ氏は「新型コロナの感染拡大が何らかのピークに達し、間もなく経済活動が再開するとの市場の見方が強まっている」と指摘。ただ新型コロナの経済的影響を示す指標が発表されるにつれ、今後数カ月内に市場が急落する可能性があるとした。
また新型コロナ抑制措置によって経済活動が停止しているため、厳しい決算シーズンを迎えるとの懸念も出ている。
米JPモルガン・チェース (N:JPM)とウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ) (N:WFC)は、それぞれ2.7%と4%下落。この日発表した第1・四半期決算は利益が大幅に減少。新型コロナの感染拡大による貸し倒れの可能性に備え、引当金を計上した。
アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)は5.3%上昇し、過去最高値で終了。ナスダックを押し上げた。
製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) (N:JNJ)は4.5%高。四半期決算が予想を上回ったほか、配当を引き上げたことが好感された。
アップル (O:AAPL)も5.1%急伸。2月に落ち込んだ中国でのiPhone出荷台数が3月に回復したことがデータで示された。
米取引所の合算出来高は120億1000万株。直近20営業日の平均は145億8000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.19対1の比率で上回った。ナスダックでは2.54対1で値上がり銘柄数が多かった。
米主要株価指数は新型コロナ感染拡大を受け、2月に付けた最高値から30%超下落していたが、金融緩和策や財政刺激策、感染者数安定化の兆しに支援され、この1カ月に回復している。ただ、S&P総合500種は2月19日に付けた終値ベースの最高値を依然として約16%下回っている。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 23949.7 +558.99 +2.39 23690. 24040. 23683. (DJI)
6 57 58 44
前営業日終値 23390.7
7
ナスダック総合 8515.74 +323.32 +3.95 8353.2 8531.1 8338.0 (IXIC)
1 1 9
前営業日終値 8192.43
S&P総合500種 2846.06 +84.43 +3.06 2805.1 2851.8 2805.1 (SPX)
0 5 0
前営業日終値 2761.63
ダウ輸送株20種 8177.69 +140.71 +1.75 (DJT)
ダウ公共株15種 825.10 +23.71 +2.96 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1695.76 +72.08 +4.44 (SOX)
VIX指数 37.72 -3.45 -8.38 (VIX)
S&P一般消費財 902.48 +36.26 +4.19 (SPLRCD)
S&P素材 319.95 +3.64 +1.15 (SPLRCM)
S&P工業 528.73 +9.81 +1.89 (SPLRCI)
S&P主要消費財 617.69 +25.08 +4.23 (SPLRCS)
S&P金融 375.62 +1.24 +0.33 (SPSY)
S&P不動産 217.24 +6.85 +3.25 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 257.37 -1.20 -0.46 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1131.35 +36.20 +3.31 (SPXHC)
S&P通信サービス 163.41 +5.12 +3.23 (SPLRCL)
S&P情報技術 1564.86 +62.62 +4.17 (SPLRCT)
S&P公益事業 308.09 +8.90 +2.98 (SPLRCU)
NYSE出来高 11.81億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 19625 + 15 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物6月限 円建て 19520 - 90 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加しました。