[ロンドン 15日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は15日、国内の中小企業が加入している保険について、新型コロナウイルス関連の損害が補償対象にならないケースが大半だと指摘した。
またFCAは銀行に対し、中小企業向けに公正な融資が行われるよう、FCAへの説明責任を果たす上級幹部を指名するよう求めた。
FCAによると、中小企業が加入している保険の大半は、基本的な補償しか含まれておらず、新型コロナ関連の保険金を支払う義務がない。
FCAのクリストファー・ウーラード暫定最高経営責任者(CEO)は保険会社のトップにあてた書簡で「保険の加入者にとっては残念な話かもしれないが、こうした状況に介入する妥当な根拠がない」と表明。「一方で保険金を支払う義務が明確にある契約もある。そうした契約については早急に請求を審査し支払いを行うことが重要だ」と述べた。
ウーラード氏は、有効な請求については処理を迅速化するため、暫定的な支払いを行うことも可能だと指摘。「そうした措置に同意しない場合は、顧客にとってなぜそれが公正なのかを含め、決断に至った根拠を書面で示してほしい」と述べた。
ウーラード氏は、小規模事業者について、金融オンブズマン・サービスに苦情を申し立てることも可能だと指摘。FCAは規制対象の企業が支援されているかを確認するため、新たな中小企業部門を設置した。
またウーラード氏は、銀行のトップにも書簡を送り、中小企業向け融資を監督する上級幹部を指名するよう指示。企業向け融資は一般的には直接の規制対象とはならないが、顧客を公正に扱わない上級幹部には罰金や停職処分を科せるとしている。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200415T082854+0000