[ウィーン 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国のオーストリア、スウェーデン、デンマーク、オランダは23日、フランスとドイツが提案した5000億ユーロ規模の復興基金の創設に反対を表明した。
フランスとドイツは18日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた加盟国や域内産業に補助金を提供する基金の創設を提案した。
オーストリアが公表した文書によると、4カ国はこの補助金に反対し、代わりに融資に基づく新基金案を示した。この基金については「債務の共有化につながらないこと」や「一時的で1回限りとし、2年後のサンセット条項を明記すること」などの原則を掲げている。
フランスとドイツは、欧州委員会がEU全体を代表して資金を借り入れ、すでに1兆ユーロに近付いている2021─27年のEU予算の追加分として支出することを提案している。
欧州委は5月27日に復興基金に関する独自の案を示す予定で、フランスとドイツの案を歓迎すると表明している。両国の案はEU全体の合意につながることも多い。
しかし、オーストリアなど4カ国は、欧州委が加盟諸国について「2020年に異例のマイナス成長となり、21年の景気回復は部分的にとどまる」と予測しているとし、「EU向け追加資金は調達手段にかかわらず、国家財政をさらに圧迫するだろう」と指摘している。