[北京 25日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は24日、米国に対し新型コロナウイルス対策で時間を無駄にすべきではないと主張、虚偽の情報を広めたり中国を攻撃するのではなく、感染対策で中国と協力すべきだと述べた。
同相は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて会見し、米国で多数の死者が出ていることに深い哀悼の意を表した上で「残念ながら、猛威を振るうウイルスに加えて、米国では政治的なウイルスも広がっているようだ。この政治的なウイルスはあらゆる機会をとらえて中国を攻撃・中傷している」と発言。
「一部の政治家は最も基本的な事実を無視し、中国についてあまりに多くの嘘をでっちあげ、あまりに多くの陰謀を画策している」と述べた。
同相は「ここで言っておきたい。これ以上、貴重な時間を無駄にすべきではない。人命を無視すべきではない」とし「中国と米国に最も必要なのは、まず互いから学び、感染対策の経験を共有し、感染対策で助け合うことだ」と述べた。
同相は、米中と世界を視野に入れたマクロ経済対策で協調を開始する必要があるとも発言。
米中関係はさらに悪化するのかとの質問には、中国には引き続き協力と相互尊重の精神で米国と協力する用意があると述べた。
米国で新型コロナを巡り中国を提訴する動きが出ていることについては、法的根拠に欠けると主張。世界保健機関(WHO)とテドロスWHO事務局長を強く支持する考えも示した。
同相はまた、米朝関係について、米国と北朝鮮が意義のある対話をできるだけ早く再開するよう期待すると述べるとともに、米国は北朝鮮との間で苦労して実現した外交接触の成果を無駄にするべきではないと指摘した。