[オタワ 22日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は22日、総裁就任後初となる講演で、大規模な事業閉鎖の再実施に伴う「非常に大きな後退」を回避するためには、新型コロナウイルスの感染第2波への迅速かつ的を絞った対応が必要との見解を示した。
感染第2波に関する質問に対し、「経済再開に伴い感染拡大が起こるだろう。われわれは世界中の感染第2波を注視している。重要なのは迅速に対応し、封じ込めることだ」と指摘。カナダには優れた接触者追跡システムや検査、局地的な閉鎖措置の実施が必要になるが、「これらができなければ、大規模な抑制措置を再び実施しなければならず、非常に大きな後退になる」と述べた。
ただ、カナダ中銀は経済全体に及ぶ事業閉鎖の再導入を想定していないとした。
講演では、パンデミック(世界的大流行)が需給に幾分長期的な損害を与える可能性が高いとした上で、需要よりも供給の方が早く回復しかねないとし、これが「インフレ率の大きな下押し圧力になる」と懸念。「最も重要なのは、国民の仕事復帰を支援することにより、インフレ率の持続的な低下を回避すること」とし、2%の物価目標を据え置くと語った。
政策金利については0.25%が実効下限とし、マイナス金利は金融機関の動きを歪める可能性があるとしたほか、債権買い入れプログラムは長期金利を抑制することにより経済への刺激になっているとした。
総裁発言を受け、カナダドル
金融市場では年内の一段の金利変更は織り込まれていない。