[ロンドン 23日 ロイター] - 英自動車工業会(SMMT)は政府に対し、自動車業界支援のため付加価値税(VAT)減税などの追加措置を講じるよう求めた。英自動車業界では、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、労働者の3分の1の一時帰休が続いている。
3月には感染拡大抑制のためのロックダウン(都市封鎖)で工場が閉鎖され、現在も一部が閉鎖されているほか、多くは大幅な減産体制で操業している。このため、生産水準は過去数十年で最低に落ち込んでいる。
SMMTは、今年の自動車とバンの生産台数が3分の1減の92万台となると予想するとともに、最大6人に1人の雇用がリスクにさらされていると指摘した。
SMMTのマイケル・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、「政府による介入は前例のないものだが、まだ仕事は終わっていない」と指摘。消費者信頼感の押し上げと緊急基金への無制限のアクセスといった措置を求めた。
また業界では、年末に欧州連合(EU)離脱の移行期間が終了した後にEUとの貿易の条件が悪化するのではないかとの懸念が浮上している。
SMMTは、「合意なき離脱となった場合、今後の見通しが深刻に悪化し、生産台数は2025年までに85万台を下回る可能性がある。これは1953年以来の低水準となる」とした。
政府はコロナ危機の時期を通じて企業を支援すると約束しているほか、来年1月1日に発効する貿易協定について、EU側と協議している。