[ミラノ 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のエンリア委員長は23日、新型コロナウイルス危機により、ユーロ圏の銀行間にM&A(合併・買収)の余地が生まれるとの見方を示した。利ざやが減少するためという。同日付イタリア紙イル・ソレ24オレとのインタビューで述べた。
エンリア氏は「われわれは役割を果たすことができる」と述べ、ECBが合併をどのように評価するかについて、銀行などと協議する用意があると明らかにした。
その上で「しかし立法面や他の監督部門で、とりわけ国境を越えた合併について、何ができるか注目する必要がある」と指摘した。
イタリアの大手銀行インテーザ・サンパオロ (MI:ISP)が国内の同業UBIバンカ (MI:UBI)の買収を目指していることについては、「一般的にわれわれはM&Aに慎重ではあるが好意的だ」との認識を示した。
また「(新型コロナ)危機の銀行財務への影響をより正確に把握するために脆弱性分析を行っている」とし、来月結果を公表すると明らかにした。
同委員長は、リセッション(景気後退)が悪化するとのシナリオの下では、ユーロ圏銀行の不良債権問題の悪化は「避けられない」と予想。どの程度になるか現時点で予想するのは困難としつつ「ここ数年、大きな不良債権がなく、ECBの不良債権処理に関するガイドラインの適用を受けた経験がない銀行こそ慎重になることが求められる」と述べた。
*内容を追加しました。
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