[ニューヨーク 10日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルがおおむね上昇し、ユーロやスイスフランに対して1週間ぶりの高値を付けた。追加の新型コロナウイルス経済対策の行方が引き続き焦点になった。
トランプ大統領は8日、コロナ対策を巡る与野党協議の決裂を受け、失業保険給付の上乗せなどを実施する大統領令に署名した。ムニューシン財務長官は10日、野党民主党の主張が合理的であれば、トランプ政権と議会は今週中にも追加対策で合意できるという考えを示した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場ストラテジスト、エドワード・モヤ氏は「大統領令のおかげで一定の刺激策は行われる見通しだが、十分ではない」とした上で、長期的には依然としてユーロ相場が底堅いと予想した。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.3%安の1.1746ドル。ドル/スイスフラン
ドル/円
ドルは通貨バスケット (=USD)に対し0.2%高。
スコシアバンク(トロント)のチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、ドルは中期的に軟調地合いが継続するものの、相場が崩れることはないと予想。「ドルを巡るファンダメンタルズは一段と悪化しており、ドル市場よりも良好な環境やリターンを求める動きが続くだろう」と述べた。
米中の対立激化もこの日のドル買いを後押しした。中国政府は10日、米共和党議員を含む米国人11人を制裁を科すと発表。米中両国は15日、1月に署名した貿易協議の「第1段階」合意の履行状況を点検するための協議を開く。
ドル/円 NY終値 105.95/105.97
始値 106.15
高値 106.19
安値 105.72
ユーロ/ドル NY終値 1.1736/1.1740
始値 1.1745
高値 1.1791
安値 1.1737