[ニューヨーク 13日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、安全通貨である円やスイスフランが上昇した。欧米での新型コロナウイルス感染第2波を巡る懸念を背景にリスク選好度が低下した。
円
週初に米製薬大手ファイザー (N:PFE)が開発中の新型コロナワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表したことを受け、円は9日に対ドルで約2%急落。スイスフランは週央に0.9192フランまで下落した。
ただ、新型コロナ感染者が増加しているほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長と欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が前日に経済の先行きは不透明なままだと強調したことを受け、週末にかけリスク回避の動きが広がった。
ウエスタンユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「感染者が増加し続けている中で楽観的な見方を維持するのは難しい」と指摘。「トンネルの出口が見えているが、まだトンネルの中だ」と述べた。
円はこの日上昇したが、週間では6月以降で最大の下げとなった。
ユーロは0.24%高の1.1832ドル。ECBのシュナーベル専務理事とデコス・スペイン中銀総裁は13日、新型コロナワクチン開発の進展は安心感をもたらすものの、感染抑制に向けた新たな規制措置でユーロ圏経済が打撃を受ける恐れがあると述べた。
一方、高リスク通貨の豪ドルも買われ、0.44%高の1米ドル=0.7265豪ドルとなった。
ソシエテ・ジェネラルのFXストラテジスト、キット・ジャックス氏はノートで「ワクチンを巡る楽観がある一方、FRBが冬季以降も超緩和策を維持するとの見通しがドルに対する弱気姿勢につながっている」と指摘。「長期的に大きな利益が得られるのは経済成長や貿易に敏感な高ベータ通貨だ」とした。
ニュージーランド(NZ)ドル
ドイツのシュパーン保健相は13日、先週から実施された新型コロナウイルス感染予防に向けたロックダウン(都市封鎖)が12月以降も続くか判断するのは時期尚早との認識を示した。
また、米大統領選では、勝敗が判明していなかったジョージア州とノースカロライナ州で13日も開票作業が続き、民主党のバイデン前副大統領がジョージアで、共和党のトランプ大統領がノースカロライナでそれぞれ勝利を確実にした。これで全州の当確が出そろい、トランプ氏が選挙結果を覆せる可能性はほぼなくなった。