[バンコク 25日 ロイター] - タイ中銀幹部は25日、同国で新型コロナウイルス感染第3波が急速に拡大しているとして、中銀は今年と来年の国内総生産(GDP)伸び率予想を下方修正する公算が大きいと述べた。
今回の感染はより感染力の強い「B.1.1.7」変異株が一因で、過去25日間に2万6000人の新規感染者と46人の死者が出ている。観光立国のタイにとって、外国人観光客の受け入れ再開に向けた努力に水を差された形となった。
中銀幹部はLongtunman Youtube Channelに対し、3月に示した予想は、第4・四半期にはワクチン接種を完了した外国人観光客を隔離義務なしで段階的に受け入れられるようになるという前提に基づいていると説明。「感染の現状とワクチンの効果を考慮すると推定は困難」としたうえで、今年と来年のGDP伸び率予想である3%と4.7%は、「かなり大幅に下方修正せざるを得ないだろう」と述べた。
また、経済がコロナ禍前の水準に回復するまでには6四半期を要する可能性があるとし、景気回復は輸出の改善に支えられると述べた。