[ベルリン 26日 ロイター] - 独IFO経済研究所が発表した4月の業況指数は96.8で3月の96.6から小幅上昇したが、ロイターがまとめたアナリストの予想(97.8)には届かなかった。新型コロナウイルス感染第3波や、製造業の部品供給の目詰まりが影響した。
IFOのクレメンス・フュースト所長は声明で「感染第3波と中間製品のボトルネックが景気回復を阻んでいる」と述べた。
現況指数は94.1に上昇したが、今後6カ月の楽観度はやや後退した。
製造業の業況指数は約3年ぶりの高水準。「需要の状況は引き続き非常に良好」(フュースト所長)。しかし先行きの楽観的見方はやや後退。中間製品のボトルネックを指摘した企業の割合は45%で1991年以降で最高となった。
IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は、ドイツ経済は引き続き回復しているものの、勢いが鈍ったとの認識を示した。
製造業は好調で、輸出見通しが一段と改善し、採用を予定する企業が増えている。ただ生産前の問題や半導体の調達困難を指摘した企業がほぼ半数に及んだという。
ドイツ政府は27日に2021年国内総生産(GDP)伸び率予想を引き上げる見通し。1月時点の予想は3%だった。
連邦統計庁は30日に第1・四半期GDP統計を発表する。
キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム氏は、IFO調査は、第2・四半期に入った独経済が横ばいで推移していることを示したと指摘した。「30日発表の第1・四半期GDPは前期比1.0%程度のマイナスとなる見通しで、第2・四半期は横ばいとみている」と述べた。
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