[シドニー 8日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長は8日、日本で東京五輪開催への反対意見が強まっていることは「懸念」とした上で、必ず開催されるとの見方を示した。オーストラリアオリンピック委員会(AOC)の年次総会への出席後、記者団に語った。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京に3回目の緊急事態宣言が発令される中、予定通り7月下旬から東京五輪を開催できるかどうかに疑問が生じている。
東京五輪の調整委員長も務めるコーツ氏は、すでに1年延期されている東京五輪について「必ず開催される」と発言。「日本の首相が数週間前、米大統領にそう伝えている。IOCにも同じことを言い続けている」と語った。
また、東京五輪組織委員会が先に公表した五輪の全参加者向けの感染症対策は安全な大会を成功させる指針となると評価した。
一方、東京五輪開催中止を求める署名が23万筆以上集まるなど、日本で反対意見が強まっていることについて、コーツ氏は「懸念はある」とした上で、安全性を危惧する人々の数と日本でのコロナワクチン接種数に関係があると指摘。日本でワクチン接種が普及するにつれ、懸念は和らぐとした。
同氏は、組織委員会が東京で開催中のテストイベントで講じている感染対策の効果を日本国民に周知することが重要だとも指摘した。
IOCがテレビ局やスポンサーとの高額の契約を履行するために東京五輪を是が非でも開催させようと躍起になっているとの見方については、「もしその通りなら去年開催していたが、そうしなかった」と述べ、否定した。