[北京 2日 ロイター] - 中国が新型コロナウイルスに対する「ゼロ寛容」政策を近いうちに断念することはない──。複数の専門家がこうした見方を示した。
感染拡大を防ぐための大規模検査や的を絞ったロックダウン(封鎖措置)、移動制限によるゼロ寛容政策は感染拡大の抑制に寄与する一方、地域経済を混乱させるケースも見られている。
2020年初めに中国の対新型コロナ戦略の策定に寄与した呼吸器疾患の専門家、鐘南山氏は国営メディアに対し、「(中国の)政策は長期にわたり変わらないだろう。どの程度続くかは世界の新型コロナウイルス制御状況に左右されるだろう」と述べた。
7-8月の国内発症者数は1200人を超え、直近の10月17日-11月1日は538人となっている。
龍洲経訊(ガベカル・ドラゴノミクス)のアナリスト、崔爾南氏はノートで、クラスター(感染者集団)がうまく封じ込められているほか、国際的な移動の制限が支持されていることを考慮すると、中国が少なくともあと1年はゼロ寛容政策を維持する公算が大きいと指摘。「当局者はゼロ寛容アプローチを断念すれば別の問題に置き換わるだけだと信じているようだ」とした。
鐘氏は、世界的にワクチン接種が進んでいるにもかかわらず現在の死亡率が2%となっていることについて、中国では許容できないと指摘。「ゼロ寛容は確かに多くのコストがかかるが、ウイルスが広がればもっとコストがかかる」と語った。