[ワシントン/カヤホガ・フォールズ(米オハイオ州) 5日 ロイター] - バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は5日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の症状がデルタ株に比べ軽度と見られるものの、楽観すべきでないという認識を示した。
ファウチ氏は、オミクロン株拡散に伴う感染者急増に言及し、「一定の割合の患者は重症化する恐れがあり、引き続き医療システムへの重圧となる可能性がある」と述べた。
米国内の新規感染者は7日移動平均で1日当たり54万人と、4日時点で8日連続で過去最多を更新。入院者も過去7日で45%急増し、11万1000人を超えた。
デラウェア、イリノイ、オハイオ、バーモントの各州とワシントンDCではここ数日で、新型コロナ感染者の入院がこれまでの最多を記録。オハイオ州の病院の医師らによると、患者の約80%および集中治療室(ICU)患者のほぼ全員がワクチン未接種者という。
オミクロン変異株の流行に伴い、全米でコロナ感染者が急増する中、冬休み後の対面授業再開を再考する動きが高まっている。
シカゴでは、市当局と教職員組合との論争が続く中、5日の授業はキャンセルとなった。ミルウォーキーやアトランタ、デトロイトなどでも、スタッフ不足やオミクロン株を巡る懸念から、遠隔授業への変更や学校再開を遅らせる決定が行われている。
米ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官を務めるジェフ・ザイエンツ氏は5日、オミクロン株で感染が拡大しているにもかかわらず、学校の閉鎖を回避する手段があると述べた。
また、ワクチンの追加接種(ブースター接種)が展開されているものの、米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は、現時点でワクチン接種完了の定義を変更する計画はないとした。