[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日に発表した1月1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7000件増の20万7000件と、市場の減少予想(19万7000件)に反し、増加に転じた。
新型コロナウイルス感染者急増を受け、失業申請件数は今後数週間かけてさらに増加する可能性がある。しかし、週ごとのボラティリティーを除けば、労働市場はなお引き締まった状況にある。
シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「ホリデーシーズン近辺の一部企業による一時閉鎖が失業申請の増加につながった可能性がある」と指摘した。
一方、JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「直近でコロナ感染が拡大しているにもかかわらず、現時点で失業保険申請が大幅に増加していないのは労働市場にとって心強い兆しだ」と述べた。
調整前の申請件数は5万7599件増加し31万5469件となった。地域別では感染が急拡大しているニューヨーク州で急増。ペンシルベニア州、ワシントン州、ミシガン州、コネチカット州でも大幅に増加した。
12月25日までの1週間の継続受給件数は3万6000件増の175万4000件。6週連続で200万件を下回った。
今回の統計は7日に発表される2021年12月の米雇用統計の調査期間とは重なっていない。ロイターのまとめたエコノミスト調査によると、12月の非農業部門雇用者数は40万人増、失業率は4.1%に改善することが予想されている。
また、米民間雇用調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した米企業による12月の人員削減計画は前月比28.1%増の1万9052人となった。しかし依然として20年の水準を86%下回っている。
シニアバイスプレジデントのアンドリュー・チャレンジャー氏は「新型コロナ感染症の症状の深刻度にかかわらず、感染者数が労働市場に影響するだろう」と述べた。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが5日発表した昨年12月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が80万7000人増加し、市場予想の40万人増を上回った。2021年末の労働市場の堅調さを示唆した。