[ソウル 6日 ロイター] - 韓国与党「共に民主党」の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が薄毛治療に公的医療保険を適用することを提案し、その賛否を巡り議論が起きている。
李氏は今週、1000万人近くが薄毛に悩んでいるが、その多くは治療費が高額なため、海外から薬を取り寄せたり前立腺肥大症の治療薬で代用したりしていると述べ、公的医療保険の対象にする考えを示した。
この提案が大きな反応を呼び、李氏が「あなたの髪」に最適な候補者だという薄毛のCMをもじった動画が広がるなどした。
李氏に賛同する声もある一方、野党は新たなポピュリスト的政策だと批判。元医師でもある「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補は、李氏の案を無責任と批判し、当選したらジェネリック薬の価格を引き下げ、新たな治療法の開発に資金を投じると訴えた。
李氏は京畿道知事時代にベーシックインカム導入を推進し、積極的な新型コロナウイルス対策で一躍有名になった。
済州大学医学部のイ・サンイ教授は、国民健康保険は深刻な病気に苦しむ人々を支えるためのもので、薄毛治療に何千億ウォンも充てることになれば制度が行き詰まる恐れがあると指摘した。