[ワシントン 11日 ロイター] - バイデン米大統領は11日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株流行で感染者が急増しているものの、米国がコロナとの戦いで正しい軌道に乗っていると自信を表明し、政府の対応を擁護した。
ホワイトハウスの保健当局者も、ワクチンや追加接種(ブースター接種)による予防効果によって、状況はこれまでの感染の波とは異なるという見方を示した。
ただ、バイデン大統領は同時に、世界全体での感染ペースが「大幅に減速していない」ことに懸念を示した。
米食品医薬品局(FDA)、米国立衛生研究所(NIH)、米疾病対策センター(CDC)の幹部は長期におよぶコロナウイルスとの戦いによって、検査へのアクセス簡素化、良好な治療法、様々な変異株に有効なワクチンの必要性が明らかになったと述べた。
FDAのウッドコック長官代行は2年間におよぶパンデミック(世界的大流行)への対応でFDAにおける課題が明らかになったとした一方、今は足元の感染拡大に注力する必要があると指摘。「われわれがすべきことは病院の機能を引き続き維持し、交通機関など必要不可欠なサービスを混乱させないようにすることだ。その後、パンデミックへのアプローチ方法を見直す良い機会が訪れるだろう」とした。
米保健福祉省(HHS)当局者は、バイデン大統領が発表した自宅で利用できる検査キット5億個の無料配布に取り組んでいるとし、月内に最初の配布が行われ、残りは60日以内に配布されるとした。
ロイターの集計によると、オミクロン株の感染拡大に歯止めが掛からない中、10日時点の米国内の新型コロナ新規感染者は135万人と、過去最多を更新した。入院も13万6604人超と、これまでの最多に達した。CDCの推計によると、オミクロン株は8日時点で米国内の感染者の98.3%を占めるという
米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)の予測によると、無症状もしくは検査を受けられないといった状況を背景に感染者が確認されておらず、実際の1日当たりの感染者が600万人超のピークに達している可能性がある。IHMEはさらに、月末までに大幅に減少する可能性があるとも予測している。