[東京 13日 ロイター] - 13日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比247円72銭安の2万8517円94銭と、反落した。朝方に安く始まった後も上値は重く、徐々に下げ幅を広げた。前日に大幅上昇した反動で売りが優勢となったほか、新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感も重しになった。
日経平均は約100円安で寄り付いた後も、戻り売りや利益確定売りが優勢となり下げを拡大した。米ハイテク株高を背景に、朝方は半導体関連や電子部品の買いが先行して指数を下支えしたが、前日に買い戻されていた銘柄も多く、次第に勢いを失った。米国の金融引き締め加速への警戒感は「ひとまず和らいだが、引き続きくすぶっている」(国内証券)との見方が出ていた。
新型コロナウイルスの国内感染再拡大への警戒感から、外食や百貨店、旅行、空運、陸運といったリオープン(経済再開)銘柄も軟調。ドル/円の円高が輸出関連株の重しになり、自動車株はまちまちの動きとなった。
一方、鉄鋼や非鉄金属といった景気敏感株の一角はしっかり。市場では「米金利が上昇局面にある中で、日本市場でもバリュエーションの低い銘柄の買いが継続した」(野村証券の澤田麻希ストラテジスト)との声が聞かれた。
TOPIXは0.58%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆3783億4900万円だった。東証33業種では、精密機器、小売業、サービス業など21業種が下落した一方、鉄鋼、非鉄金属、パルプ・紙など12業種が上昇した。
個別では、エイチ・アイ・エスやANAホールディングスが軟調だったほか、キーエンスも売られた。一方、日本製鉄や住友金属鉱山がしっかり。アドバンテストやINPEXも買われた。トヨタ自動車は上場来高値を更新した。
東証1部の騰落数は、値上がりが527銘柄(24%)、値下がりが1553銘柄(71%)、変わらずが105銘柄(4%)だった。
きょうは半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表が予定されており、東京市場でも発表内容が材料視される可能性がある。
前日の米国市場では主要3指数が小幅に続伸した。昨年12月の消費者物価指数(CPI)が発表され、上昇率が数十年ぶりの高水準となったが、市場予想とおおむね一致。米連邦準備理事会(FRB)が一段の引き締めを余儀なくされるとの懸念が幾分和らいだ。