[ブリュッセル 13日 ロイター] - ユーロ圏財務相は17日に開く会合で、過去2年にわたる新型コロナウイルス禍に域内企業の倒産件数が懸念されていたよりも少なかったとして、危機を予想以上にうまく乗り切っているとの認識を示す見通しだ。会合の準備に携わるユーロ圏高官が匿名を条件に明らかにした。
同高官は、域内政府が実施した2兆3000億ユーロ(2兆6400億ドル)の流動性支援策の効果や経済の底堅さを示す証拠だと指摘。「倒産が相次ぐことが懸念されていた」と語った。
各国政府は、大量解雇を防ぐためにパートタイム労働の補助金制度を導入したり、企業が銀行から受ける融資を保証するなど倒産を阻止する措置を講じた。
高官は「現時点では企業の倒産件数は、危機の深刻さや過去の平均と比較して驚くほど低い水準にとどまっている」と述べた。
その上で、多くの企業が債務の増大に直面しているほか、数カ月おきに感染の新たな波に見舞われ、緊急支援がいつまで必要になるか不透明な状況であることから、域内の政策当局者は存続可能な企業の支援を継続する必要があると警告した。
「状況は国やセクターによって異なる」とも述べた。