[チューリヒ 16日 ロイター] - オーストリア政府は16日、新型コロナウイルスワクチン接種義務が生じる最低年齢を18歳とするよう提案した。今週議会で投票を行い、2月1日から段階的に実施するという。
政府は先月、ワクチン義務の対象を14歳以上とする方針を明らかにしたが物議を醸したことから、18歳に引き上げてコンセンサスを目指したい考え。実現すれば欧州連合(EU)で初めて国民全般にワクチン接種を義務化する国となるが、前日にも数千人規模の反対デモが起きるなどしている。
ネハンメル首相はウィーンで行った記者会見で、「これはワクチン接種者と未接種者の戦いではない」と述べ、未接種者があまりに多いため、人同士の自由な交流を認めるには(接種を)推進する必要があると説明。感染拡大抑制のためのロックダウン(都市封鎖)をこれ以上行う事態を避ける必要があると強調した。
首相は、自身も新型コロナに感染して隔離を終えたばかり。
オーストリアでは、有効なワクチン証明書を持つのは人口の約72%。同国では、議会第3政党である極右自由党(FPO)の進めるワクチン懐疑論に同調し、ワクチンに懐疑的な人が多い。