[ロンドン 17日 ロイター] - 英ロンドン金融業界の採用トレンドをまとめた人材派遣会社モーガン・マッキンリーの最新データによると、2021年第4・四半期の求人件数は19年第4・四半期と比べ40%増加した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が経済に打撃を与え、労働市場の低迷を招く前の水準を上回り、業界の採用環境が回復している兆しが示された。
昨年創出された雇用は3万2000件超で、20年の約2倍だった。ワクチン接種プログラムの進展を背景にオフィス復帰が進む中、第2・四半期に急拡大した。
モーガン・マッキンリーのマネジングディレクター、ハカン・エンバー氏は「求人件数は概して、欧州連合(EU)離脱や一時帰休制度、パンデミック、ロックダウン(都市封鎖)の影響からの心強い回復を引き続き反映している」と指摘。ロンドンでのフィンテック投資の拡大も寄与したとの見方を示した。
その上で、パンデミックの影響がより明確になり、増税やインフレに直面するのに伴い「英国から雇用が再び流出し始める可能性がある」と警告した。
ただ、今のところロンドンの金融関連採用市場は好調を維持している。
21年は英労働市場全般が逼迫する中、ロンドンでは金融サービス業界で新たな職を探していた人が19年比34%増加した。