[パリ 17日 ロイター] - フランスのスポーツ省は17日、新型コロナウイルスワクチン接種証明(ワクチンパス)を導入する法律が前日成立したことについて、例外は認めらないと述べた。これを受け、男子テニスの世界ランク1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、ワクチンを接種しなければ全仏オープンも出場できないことになる。
同省は同法が「観客やスポーツ選手、全員に適用される」と説明。「全仏オープンが開幕するのは5月。状況は変わるかもしれないし、改善されることを願っている。それまで様子を見るが、例外は認められない」とした。
男子テニスの世界ランク3位、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は17日、メルボルンでの全豪オープン初戦終了後、同省の見解を支持。「ワクチン接種を受けていない選手は全仏オープンには出場できないことになった」とし、「そのことが事前に通達された。例外が認められないということは個人的には問題ない」と話した。
ジョコビッチは全豪オープンに向けてオーストラリア入りしていたが、ワクチン接種を受けていなかったためビザが取り消され、16日に国外退去となった。
ジョコビッチが次に出場する大会はドバイ・デューティー・フリー・テニス選手権(2月21日開幕)になる見通し。同大会の広報担当者はロイターに対し、アラブ首長国連邦(UAE)に入国する選手は全員、PCR検査で陰性だったことを証明する必要があると説明した。
ウィンブルドン選手権を主催するオールイングランド・クラブ(AELTC)は、大会の安全対策はまだ決定していないと指摘。英国ローンテニス協会は、ウィンブルドン前哨戦とされる大会への参加条件は政府が決定すると述べた。現在、ワクチン未接種者は英国に入国できるが、10日間の隔離が必要とされる。
ただ、米国には入国さえ難しいかもしれない。空路による外国人の入国には昨年11月以降、例外を除いてワクチン接種完了と接種証明の提示が義務付けられている。