[10日 ロイター] - 米国務省の国勢調査局は10日、中南米系市民や黒人、先住民の人口が2020年国勢調査で過少に推計されていたとする報告書を公表した。国勢調査は、下院議員選挙区割りや、マイノリティーが多い地域へのメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険)から高速道路建設に至る連邦予算の配分額などの資料として活用されており、さまざまな影響が生じる恐れが出てきた。
国勢調査局は、20年の国勢調査の正確性を確認するための統計的な分析結果として今回の報告書をまとめた。
それによると、中南米系市民の人口は実際より5%も少なく見積もられていた公算が大きい。これは10年の国勢調査時の過少推計の3倍以上だ。また黒人は3%強、先住民は5%強もの過少推計で、いずれも10年を上回った。
一方で、中南米系以外の白人とアジア人は実際より多く推計されていたという。
ただ、この分析に基づくと、米国の総人口推計3億2320万人はおおむね正しいことが分かった。