[上海 14日 ロイター] - 中国の疾病対策機関は、新型コロナウイルス規制が解除され、パンデミック(世界的大流行)前の5分の1の水準まで旅行が回復した場合、南部の製造業拠点である広東省の1日当たりの新規感染者数は7万5000人超に膨らむとする試算を明らかにした。
香港に隣接する広東省はオミクロン株の感染拡大に直面しており、深セン市は公共交通機関の停止や集団検査実施など対策を強化している。
中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)は11日に公表した研究報告で、マスク着用義務や社会的距離確保、ロックダウン(都市封鎖)など「非医薬品介入(NPI)」を継続した場合、感染者数は管理可能な水準にとどまると分析。
「2022年にブースター接種(追加接種)が進むに伴い、海外からの入国者がやや増加する可能性があるが、感染拡大が引き続き制御されるよう、抑制戦略を維持する必要がある」と指摘した。
CCDCのモデルによると、入国者の2週間隔離を含む現行の抑制戦略を維持した場合、旅行が20%回復しても感染者を低く抑えることができる。
一方、「共存」戦略に転換し、大半のNPIを解除した場合、年間の感染者数は685万人、死者は6万4626人に達する。19年の水準まで旅行が回復した場合、年間の感染者数は1000万人を超える可能性があるという。