[ウェリントン 16日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は16日、当初の計画よりも早期に国境を再開する方針を明らかにした。
NZは新型コロナウイルス感染抑制策として、世界的にも非常に厳しい水際対策を取ってきた。しかしオミクロン株が流行する中、厳格な対策を続ける正当性を疑問視する声が観光業などから上がっていた。
発表によると、ワクチン接種済みのオーストラリアからの観光客は、隔離措置なしで4月12日以降入国が可能になる。規制解除は当初は7月の予定だった。
米国や英国などビザ(査証)免除対象国からの旅行者は5月1日から入国が可能になる。
アーダーン氏は、観光客が戻り国内経済が活性化されると期待感を表明。「2年以上前、国境閉鎖がコロナ抑制のためにわれわれが取った最初の措置の一つだった。再開により年内、景気回復の勢いが増すだろう」と述べた。
渡航者は、ワクチン接種と陰性証明が必要だが、到着時の隔離は不要。全ての渡航者を対象にした国境再開は10月の予定だが、アーダーン首相は前倒しする可能性もあるとしている。
ただ、NZの観光業がコロナ禍前の水準に戻るには時間がかかるとみられる。コロナ禍前に渡航者の11%前後を占めていた中国人観光客は、現時点では10月まで入国できない見通しだ。