[上海 16日 ロイター] - 中国国家衛生健康委員会の16日の発表によると、15日に確認された中国本土の症状のある新型コロナウイルス新規国内感染者は1860人と、4日連続で1000人を上回った。ただ、前日の3507人からは半分近く減少した。
無症状感染者は1338人。前日は1768人だった。
新規感染者の大部分は引き続き東北部に集中しており、吉林省で確認されたのは1456人。前日の3076人からは減少した。
当局は吉林省の住民全員に対して検査を行うよう求めており、吉林日報紙によると、省共産党委員会の景俊海書記は「(感染者を)1人も見逃さない」よう指示した。
景氏は過去2年間で最悪の流行を根絶するための戦いは「重大な局面」に入ったと強調した。
国家衛生健康委員会の報道官は15日の定例会見で、今回の流行は既に28地域に広がっており、状況は「深刻で複雑」との認識を示した。
新規感染者が比較的少ない地域でも取り組みを強化しており、上海では市内全域の集合住宅の住民に集団検査を実施している。同市で15日確認された感染者は5人、無症状感染者は約200人だった。
中国共産党系の環球時報は社説で、感染対策が緩和されれば中国の成果は「水の泡」になる可能性があると主張した。
しかし米シンクタンク、ユーラシア・グループの中国アナリスト、マイケル・ハーソン氏は「オミクロン株は感染力が非常に強いことから、封じ込めと経済の安定の間で緊張が生じる」との見方を示した。
中国は今年、現在の厳しい封じ込め政策を維持するとみられるが、そうなれば経済に大きな足かせとなると指摘した。