[上海 3日 ロイター] - 中国上海市は3日、2600万の全市民へさらに2回の新型コロナウイルス検査を受けるよう命令した。ただ当局の感染対策に伴う混乱や不透明さを巡り、市民の間からは怒りの声が上がっている。
上海市は3日に市民が自主的に抗原検査を実施し、陽性の場合は報告する必要があると表明。4日にはPCR検査も行う方針だ。
保健当局は「主な狙いは感染の危険ポイントを完全に取り除き、できるだけ速やかに拡大を抑えられるように感染の連鎖を断ち切ることにある」と説明した。
現在上海市は感染対策のために事実上全域がロックダウン(都市封鎖)されている。3日の新規感染者は無症状の人が7788人、症状がある人が438人で、いずれも2日の6501人と260人から増加。中国本土全体では3日の無症状者が1万1781人、症状がある人は1506人だった。
中央政府から上海市に派遣された孫春蘭副首相は2日、同市にパンデミックを抑えるために「断固とした迅速な行動」を取るよう促した。
こうした中で、上海市が陽性反応の子どもを両親から引き離して隔離する措置に批判が広がっている。また自主検査で陰性となった親に、保健当局が陽性だから隔離施設に入れと命じたという市民の告発がソーシャルメディアで拡散され、検査態勢の明確さを求める声が出ている。