[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した2021年12月─22年2月の失業率は3.8%となり、21年11月─22年1月の3.9%から低下した。ロイターが集計したエコノミスト予想と一致した。
新型コロナウイルス流行が始まる直前の水準からさらに改善した。
失業率が前回3.8%を下回ったのは1974年。
22年1─3月の求人件数は128万8000件と過去最多を更新した。労働市場でのインフレ圧力を浮き彫りにした。
ただ、求人件数の2月からの増加幅は5万件と、約1年ぶりの低水準だった。
21年12月─22年2月の就業者数は1万人増と、ロイターがまとめた市場予想の5万人増を下回った。失業者は8万6000人減少した。
2021年12月─22年2月の賃金(ボーナスを除く)は前年比4.0%増。ただ、物価の上昇ペースには追いついておらず、消費者物価指数(CPI)に基づく実質賃金は1.7%減と、13年以降で最大の下げを記録した。
RSM・UKのエコノミストは「生計費の危機で4月以降は経済成長が大幅に鈍化し、労働需要の重しとなり、タイトな労働市場が一部緩和するだろう」と指摘。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは「一連のデータで労働市場が軟化する兆候が示されたが、労働市場は依然としてタイトだ」と述べた。