[ワシントン 16日 ロイター] - 米国のバーンズ中国大使は16日、厳格なコロナ感染予防措置を徹底しようとする中国の「ゼロコロナ政策」について、来年初めごろまで続くとの見通しを示した。ブルッキングス研究所のオンラインイベントで語った。
バーンズ氏は「私の考えでは、われわれはこの政策と長く一緒にいなければなければならないと思う」と発言。「個人的な想定ではゼロコロナ政策は恐らく来年の最初の数カ月ぐらいまで続く。それが中国政府の発しているシグナルだ」と述べた。ゼロコロナの終わりが見えるようになるまで将来の中国投資にコミットするのを避けようとする空気が米企業に広がっているとも指摘した。
これと別にバーンズ氏は、米国の対中政策に関する5月のブリンケン米国務長官発言が中国のソーシャルメディアで見られなくなっていることに言及。中国政府が国際ルールを順守することを米政府は期待していると述べ、中国政府を批判した。バーンズ氏は「われわれが発言を微博(ウェイボ)と微信(ウィーチャット)に投稿したら、2時間半ぐらいで消された」とし、数日後に米大使館が再投稿すると再び削除されたことも指摘した。
同氏は、米国が落ち目になっているために中国に対して強硬に出るようになっているとの分析が中国政府内にあることについて、間違っており、中国側が自らを正当化する「口実」にすぎないと批判。「変わったのは中国政府そのものの新たな強引な振る舞いだ。それがこの5年から10年の変化だ」とし、これに対抗する動きが現在展開されていると主張した。