[ワシントン 10日 ロイター] - 米政府は50億ドル余りの資金を投じ、新型コロナウイルスの新たなワクチンと治療法の開発ペースを加速する。保健福祉省(HHS)の報道官とバイデン政権の当局者が10日発表した。
計画の名称は「プロジェクト・ネクストジェン」。新型コロナウイルス(COVIC─19)など、将来的に脅威になりかねないコロナウイルス群に対する防御を高めることを目的とする。
HHSの報道官は「われわれのワクチンは重症化や死亡を防ぐという面では依然として高い効果を持つが、時間の経過とともに感染や伝染を抑える効果が低下している」と指摘。「新たな変異株の出現や時間の経過に伴う免疫力の低下は今後数年にわたり、われわれの医療制度にとって課題となり続ける可能性がある」と述べた。
バイデン政権は民間部門と協調して最低50億ドルをプロジェクトに充てる。政権当局者は「プロジェクト・ネクストジェンは、民間セクターとの共同作業を通じて、次世代のワクチンや治療法の迅速な開発を加速化、効率化する」と述べた。
プロジェクトは研究から治験まで開発の全段階をカバー。新型コロナウイルス変異株に対する効果が長期間持続するモノクローナル抗体と、複数の異なるコロナウイルスに効果を持つワクチンの開発に重点を置く。