David Kirton
[広州 31日 ロイター] - 10月15日に開幕した中国最大の貿易商談会「広州交易会」も11月4日の終了まで残りわずかとなった。主催者発表によると、29日までに海外から訪れた仕入れ業者(バイヤー)は約15万7200人。新型コロナウイルスのパンデミック以降に初めて開催された今年春の前回に比べて53.6%増加し、コロナ禍前の2019年秋の18万6000人に迫ろうとしている。
ただ展示ブースを設けた中国企業からは、実際の受注は低調だとの声が聞かれ、海外需要が近く本格回復するとの見通しを示した向きは乏しかった。
主として欧州で事業を展開している中国の輸出業者10社に取材すると、今年の売上高は10─30%減少している。
ある中国の玩具メーカーのトップは、電子部品価格の上昇やロシアとウクライナの戦争継続、さらに中東情勢緊迫化も加わって萎縮ムードが広がっていると指摘。売上高は1割ほど落ち込んだと明かした。
こうした中で、ジャグジーや高級シャワー製品などを生産する中国企業の幹部は、主要市場の欧州で売上高が今年30%減った穴埋めとして、巨大経済圏構想「一帯一路」に参加している国での販売強化を計画していると述べた。