Emma Farge
[ジュネーブ 10日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザについて、公衆衛生を巡る状況は壊滅的で、改善は不可能に近いとの認識を示した。
WHO理事会は、医療アクセス向上を目指す緊急動議をコンセンサスで可決。動議はアフガニスタン、カタール、イエメン、モロッコが提案したもので、医療従事者と物資のガザへの通過や、医療従事者・患者に対する暴力の記録、病院再建のための資金の確保などを求めている。
テドロス氏はジュネーブで開催された理事会で「率直に言って、現在の状況でこうしたことを行うのはほとんど不可能だ」と指摘。ガザでは医療ニーズが急増し、疾病のリスクが高まっているにもかかわらず、保健システムの能力は紛争前の3分の1にまで低下していると述べた。