[ブラジリア 18日 ロイター] - ブラジル中央銀行のロベルト・カンポス・ネト総裁は18日、ブラジルはインフレの面でまだ危機を脱却しておらず、政策当局者にはまだやるべきことがあると述べ、財政の悪化で金融政策の転換を迫られる可能性があると示唆した。ブルームバーグ主催のイベントで述べた。
来年1月1日に就任する左派のルラ次期大統領は大規模な財政出動を実施する方針で、市場では懸念が広がっている。
カンポス・ネト総裁は、議会が可決する歳出計画を見極める必要があるとしながらも、シナリオによっては中央銀行のスタンスが変わる可能性があると強調。
「サイクルの現段階で財政政策と金融政策を協調させることは非常に重要だ」と述べ、財政懸念がすでに市場の金融緩和期待に影響を与えていると指摘した。
「財政政策によって、われわれが目指す(インフレ)抑制が達成されないと判断すれば対応する」と述べた。
ブラジル中銀は、2021年3月に利上げを開始し過去最低の2%だった政策金利を13.75%まで引き上げた。今年9月に利上げを停止したが、ディスインフレが予想通りに起こらなければ、引き上げを再開すると警告している。
市場はルラ次期政権での財政規律の緩みを警戒するが、ルラ氏は意に介さない姿勢を示している。
カンポス・ネト氏は、必要としている人々に向けた取り組みにも限度があり、限度を越えると効果が逆に低下することになるとし、それが価格決定メカニズム面の問題や市場の混乱を招くと述べた。