Aditya Soni
[25日 ロイター] - 米マイクロソフトが生成人工知能(AI)分野での競争で、米グーグルの持ち株会社アルファベットを引き離している。両社が24日発表した四半期決算から現状が浮き彫りとなった。
マイクロソフトは早期に対話型AI「チャットGPT」を開発したオープンAIへの投資に乗り出し、大型顧客に注力したことが奏功しているもようで、アルファベットがクラウドコンピューティング市場でシェアを失う可能性を巡る懸念が高まっている。
マイクロソフトの第1・四半期(7━9月)決算は、AI製品が販売を促進する中、クラウドサービス「アジュール」を含むインテリジェンス・クラウド部門の売上高が予想を上回った。
一方、アルファベットの第3・四半期決算は、クラウド事業の売上高が市場予想に届かず、少なくとも過去11四半期で最も低い伸びにとどまった。
モーニングスターのアナリスト、アリ・モガラビ氏は「AIへの需要がマイクロソフトの成長をけん引した。グーグルの大型顧客についても同様のことが言える」と指摘。ただ、「グーグルはコスト管理に積極的な高成長企業や新興企業の顧客へのエクスポージャーが多い」と述べた。
アナリストの多くはアルファベットの中核である検索事業の強さについては楽観的だが、クラウド事業の低調を巡る懸念は拭えない。バーンスタインのアナリストはグーグルのクラウド事業への「逆風は少なくとも今後数四半期続く見通し」とした。
25日の取引でマイクロソフト株は約4%上昇、アルファベット株は約9%下落。マイクロソフトは時価総額が約1000億ドル拡大する勢いだが、アルファベットは価格下落が続けば、1500億ドル超が消失する見通し。
少なくとも22の証券会社がマイクロソフトの目標株価を引き上げ、中央値は400ドルとなった。