[リンシカム(米メリーランド州)5日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は5日、雇用が力強く伸び続け、失業率が低水準に維持されていることは、連邦準備理事会(FRB)が担う責務の1つである最大雇用がインフレ対策でリスクにさらされていないことが示されているとの考えを示した。
労働省が朝方発表した12月の雇用統計は非農業部門雇用者数が堅調に伸びたほか、賃金も引き続き底堅いペースで上昇。失業率は3.7%で先月から横ばいだった。
バーキン総裁は「インフレ制御は極めて重要だが、失業率は3.7%で、(非農業部門)雇用者数は前月比21万6000人増加した」と指摘。「インフレ率はFRBの目標をなお上回っているが、 失業率は間違いなく最大雇用と一致する水準か、それを下回る水準にある」と述べ、堅調な雇用統計を受けインフレ対応に焦点が置かれ続ける可能性を示唆した。
また、経済が正常に戻ればFRBは金利を正常化するべきとの認識も示した。
FRBが昨年12月12─13日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、一部の政策当局者はFRBは近い将来にインフレ率の一段の低下か、失業率の著しい上昇のどちらかを選択せざるを得ない状況に直面する可能性があると指摘した。
バーキン総裁は「そうした状況にはまだ至っていない」と指摘。ただ、失業率の大幅な上昇を伴わずにインフレが制御される「経済のソフトランディング(軟着陸)」の実現の蓋然性は高くなっているとの考えを示した。