[アラス(フランス) 21日 ロイター] - 24日に行われるフランス大統領選決選投票が迫る中で、現職のエマニュエル・マクロン大統領が極右のマリーヌ・ルペン氏に対する優位を維持、もしくはやや拡大している。21日に公表された複数の世論調査ではこうした結果が示された。また前日のテレビ討論会の「勝者」はマクロン氏と判断されている。
3種類の世論調査は、マクロン氏の支持率が55.5─57.5%と横ばいないし若干の上昇傾向だった。ただ現時点で投票率は72─74%とみられ、決選投票としては1969年以降で最低になる見込みだ。
選挙戦は最終盤を迎え、マクロン氏は左派的な有権者が多いパリ郊外で、ルペン氏は岩盤支持層を有するフランス北部でそれぞれ遊説。ルペン氏はアラスの集会で「せっかくあなたは投票を通じてマクロン氏を退任させることができるのに、なぜ彼が自分から辞めるのを待つのか」と語り、「サイレントマジョリティー」に対して棄権によってマクロン氏を勝たせてはいけないと訴えた。
テレビ討論会の評価を聞いた調査では、マクロン氏がルペン氏に対して高飛車になりがちだったとみなしながらも、マクロン氏の方が話に説得力があり、大統領にふさわしいとの見方が有権者から示された。
ルペン氏については、マクロン氏より有権者の懸念に寄り添っている面がやや強いと認められたものの、極右的な考え方への不安がはるかに勝るとみられたようだ。
仏紙ル・パリジャンは21日付の論説で「ルペン氏は国家を統治する用意ができたとの印象を与えられたか。討論会から判断すると、疑念は払拭できなかった」と指摘した。
一方何人かの専門家は、テレビ討論会の視聴者がわずか1550万人と、この種のイベントとして過去最低にとどまったことから、そのまま選挙戦の参考にすべきではないとくぎを刺した。