[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のハルデーン理事は21日、新型コロナウイルスを巡る制限が緩和されたとしても、人々が従来のような消費や社会的な交際に消極的になる可能性があるため、英経済が急速に回復するかは定かでないとの見方を示した。
理事は、3月下旬に受けた新型コロナの影響だけで1―3月期の国内総生産(GDP)はマイナス成長になったと指摘。4―6月期は大幅なマイナス成長となる見込みで、新型コロナに伴う制限措置が解除されても景気回復は緩慢になる恐れがあるとした。
理事は「(制限措置の緩和で)経済は間違いなく持ち直すだろうが、それが直ちに持ち直すかどうかは議論の余地がある」とした上で、「制限が緩和されても、人々が積極的な支出や外出、人との交際に内向きになることは十分考えられる」と述べた。
また英中銀による2000億ポンドの債券買い入れは英政府の借り入れコスト抑制に寄与しており、政府に対する補助金や財政赤字を補うための財政ファイナンスなどと誤解すべきではないと強調。「ヘリコプターマネーではなく、途方もない危機に対する財政政策および金融政策の連携だ」とした。