18日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。
本日のユーロ圏の経済指標は底堅い内容が見込まれるが、先行き不透明感は残り、円売りは後退する見通し。
一方、米国の指標はまちまちなら利上げ期待につながらず、ドル買いは小幅にとどまりそうだ。
前日の海外市場では、中国の国内総生産(GDP)が予想を上振れ、同国を起点とした世界経済の減速懸念の後退で円安方向に振れやすい地合いが続いた。
前週末以降のドル・円は111円台に下げてもNY終値は4営業日連続で112円台を維持しており、下値の堅さが意識されている。
本日のアジア市場でも、日本株や中国株、欧米株式先物は軟調地合いだが、株安を嫌気した円買いは限定的となった。
ただ、ドル・円は底堅く推移するものの、前日つけた年初来高値(112円17銭)をさらに更新し、113円を目指す展開にはなりにくいだろう。
本日のユーロ圏の経済指標は製造業PMIが前回から改善すればユーロ買いに振れやすいが、経済活動の拡大・縮小の境目の50を下回る水準のため先行きの景況感については不透明感が残る。
今月には国際通貨基金(IMF)がユーロ圏域内をはじめ世界の成長見通しを下方修正しており、円買いは根強い面がある。
一方、21時半に発表される米国の経済指標のうち、小売売上高は改善が見込まれ、昨年12月の大幅低下で強まった個人消費減退の思惑は縮小しよう。
ただ、同じ時間のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月から鈍化が見込まれ、米国経済の現状に関してはまちまちの評価が予想される。
連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ見送りや利下げの観測は現時点で変わらず、ドル買いは小幅にとどまろう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:00 ユーロ圏・4月製造業PMI速報値(予想:48.0、3月:47.5)・17:00 ユーロ圏・4月サービス業PMI速報値(予想:53.1、3月:53.3)・17:30 英・3月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.3%、2月:+0.4%)・21:30 米・3月小売売上高(前月比予想:+1.0%、2月:-0.2%)・21:30 米・4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:11.0、3月:13.7)・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:20.5万件、前回:19.6万件)・21:30 カナダ・2月小売売上高(前月比予想:+0.4%、1月:-0.3%)・22:45 米・4月製造業PMI速報値(予想:52.8、3月:52.4)・22:45 米・4月サービス業PMI速報値(予想:55.0、3月:55.3)・23:00 米・3月景気先行指数(前月比予想:+0.4%、2月:+0.2%)・23:00 米・2月企業在庫(前月比予想:+0.3%、1月:+0.8%)・01:10 ボスティック米アトランタ連銀総裁が経済討論会に参加