金融庁は21日、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」(16 仮想通貨交換業者関係)の一部改正案を公表した。
改正案では、「取り扱う仮想通貨の適切性に係る判断基準」、「仮想通貨の取り扱いの適否に係る審査体制の整備や経営上のリスクの特定などを含めた経営管理」、「利用者保護の措置」、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)」、「受託仮想通貨と自己保有の仮想通貨の分別管理」、「受託仮想通貨の流出リスクへの対応」「システムリスク」といった各項目に関する事務ガイドラインについて公表物の内容を明確化させるとしている。
また、ICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨を使った資金調達)への対応については、「発行者(仮想通貨交換業者)が自らICOトークンを販売する場合」と「仮想通貨交換業者が発行者に代わってICOトークンを販売する場合」の2つの場合にわけてガイドラインを整備する方針だ。
仮想通貨を巡っては、昨年、国内外で仮想通貨の大量流出事件が相次いで起こった。
また、さかのぼって2014年には当時世界のビットコイン取引量の7割ほどを占めていたとされる日本拠点の仮想通貨取引所マウントゴックスから巨額のビットコインが紛失する事件があった。
今回のジムガイドラインの改正案では、こうした過去の数々の事例を受けて特にセキュリティ面における「分別管理」「流出リスクへの対応」の明確化が進められるものとみられる。
「分別管理」では、「託仮想通貨を管理するウォレットと自己が保有する仮想通貨のウォレットの分離」や「分別管理に係る業務の社内管理体制の整備」などを挙げており、「受託仮想通貨の流出リスクへの対応」では、「流出リスクの低減措置の実施(実務上可能な限り、コールドウォレットで管理する、等)」や「流出時の緊急時対応」などを挙げている。
こうした法規制が既存の事業者にどのような影響を与えることになるかが注目される。