日経平均は小幅に3日続落。
19.75円安の21321.99円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。
3日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し、122ドル高となった。
9月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数がおよそ3年ぶりの低水準となり、一時335ドル安まで下げ幅を広げたが、軟調な経済指標が続いたことで利下げを予想する見方が強まった。
10月に入ってからの下落ペースが行き過ぎとの思惑もあり、引けにかけて上昇する展開となった。
ただ、円相場が1ドル=106円台後半と円高方向に振れており、本日の日経平均はやや売りが先行して25円安からスタート。
朝方はプラス圏に浮上する場面も見られたが、その後小安い水準でこう着感を強めた。
東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強、対して値上がり銘柄は2割強となっている。
個別では、ファーストリテ (T:9983)、三菱UFJ (T:8306)、武田薬 (T:4502)などが軟調。
三菱UFJなどの金融株は、米追加利下げ観測の高まりとともに長期金利が低下したことが売り材料視されている。
トヨタ自 (T:7203)は小幅に下落。
アドバンテス (T:6857)は2%近い下落で、コロプラ (T:3668)は4%近く下落した。
9月既存店売上高が1年ぶりの減少となった幸楽苑HD (T:7554)、前日の取引終了前に業績下方修正を発表したオンワードHD (T:8016)は急落し、アトラ (T:6029)などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、任天堂 (T:7974)、ソフトバンクG (T:9984)、東エレク (T:8035)、村田製 (T:6981)、ソニー (T:6758)などがしっかり。
前日の米国市場では利下げ期待の高まりでハイテク株の上げが目立ち、東京市場もこうした流れを引き継いだようだ。
また、新移動サービスを推進する「MONETコンソーシアム」に参画すると発表した日本エンター (T:4829)が商いを伴って急伸し、東証1部上昇率トップとなった。
セクターでは、銀行業、建設業、保険業などが下落率上位。
反面、石油・石炭製品、陸運業など4業種が上昇した。
米国では1日発表のISM製造業景況感指数、2日発表のADP全米雇用報告、3日発表のISM非製造業景況感指数といった9月の重要経済指標が相次ぎ悪化し、NYダウは景気減速への懸念から1-2日の2日間で計838ドル下落した。
3日は利下げ期待を手掛かりに122ドルの反発となったが、日米金利差の縮小への思惑から為替相場が円高方向に傾き、本日の日本株は戻りが鈍い。
軟調な米経済指標に相場が大きく振らされたあとだけに、今晩の雇用統計発表を前に買い手控えムードも強まりやすいだろう。
前場の東証1部売買代金は8000億円弱にとどまっている。
なお米9月雇用統計に関する市場予想は、非農業部門雇用者数が14.5万人増(前月は13.0万人増)、失業率が3.7%(同3.7%)、平均時給が3.2%増(同3.2%増)となっている。
米連邦準備理事会(FRB)による10月の追加利下げを占ううえで注目しておきたい。
日経平均の日足チャートを見ると、4月24日に付けた年初来高値22362.92円(取引時間中)を前に失速し、22000円が遠のく格好となった。
ひとまず21200円台に位置する75日移動平均線水準で下げ渋っているが、同線や200日移動平均線を下回ってくると一段の調整も意識されるだろう。
今晩の米雇用統計発表だけでなく、来週10日からは米中の閣僚級貿易協議が開催される見通しとなっており、これらの結果を受けて日経平均が再び大きく振らされる可能性もある。
相場全体の方向感を見極めたいとの思惑が強まり、一昨日も指摘したとおり個人投資家は目先、中小型株の材料株物色でしのいでいるようだ。
(小林大純)