[上海 11日 ロイター] - 中国の業界団体、中国証券協会(SAC)は10日、国内の格付け会社について、不十分な情報開示や業務体制の脆弱さなどの問題点を指摘した。
今月、大量の中国社債が償還を迎える。
10日に公表された3月3日付の四半期報告でSACは、2020年に国内格付け会社では内部管理メカニズムが欠如していたため、関係記録の管理がおざなりになり、格付け見直しの基準が不透明だったり、格付けモデルと指摘したリスクが一致しないなどの問題が起こったと指摘した。
昨年、「優良」国有企業のデフォルト(債務不履行)が相次いだことを受け、銀行間債券市場監督当局も同様なリスクを指摘し、不合理に高い格付けがされている可能性を警告していた。
SACの報告によると、2020年に新たにデフォルトを起こした23社のうち14社が、デフォルトの6カ月前時点で格付けが下げられたり格付け見直しの対象になったりしておらず、9社はデフォルトの1カ月前の時点でも格下げされていなかった。ただSACは、中国格付け会社は業界のレベルアップで前進しており、アナリストの全体的な専門能力は向上したとも指摘した。